Let’s be clear

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By Rajeev Goel, CEO & Co-Founder
December 26, 2017

現在、世界市場におけるプログラマティックのエコシステムにおいて「ブランド広告費」が「ダイレクトレスポンス広告費」を上回っています。そして、そのような状況において「透明性」は、私たちの業界で盛んに議論されているテーマです。

透明性にはいくつかの側面があります。「手数料に関して」、「広告主から見たインベントリの品質、ビューアビリティ、広告の信憑性に関して」、そして「パブリッシャーから見た広告の質やユーザーエクスペリエンスへの影響」に関する透明性などです。

ただしPubMaticは「透明性の測定とは、つまりコントロールである」と考えています。例えば、広告主の広告が表示される広告インベントリの質。そして、自動再生動画を表示する際のユーザーエクスペリエンス。さらには、プログラマティックオークションにおける価格設定と料金の分配。こういったものの管理や判断を誰が行うのかということが、私たちのエコシステム内に透明性を生み出すためには重要なのです。

価格設定の議論

プログラマティック広告の黎明期以来、「テクノロジー企業の公正な「テイクレート」とは何なのか」という議論が続いています。そもそもテイクレートという概念自体が、データ、パッケージング、アルゴリズムなどによって大幅に増加する可能性がある固定価値を前提にしたものですから、議論の余地が十分にあります。それでも、オートメーションが可能にした「メディア売買の劇的な増加」により、このテーマが業界の議論の中心になっています。しかし「イノベーションとインフラとリスクを取ることに大きく投資しているテクノロジー企業」こそが、協力して生み出した価値から公正な代償を得るに値する、という考えには誰もが同意できるはずです。

その価値は「メディアのフォーマット(テレビやディスプレイや音声)」、「販売チャネル(直販や間接販売)」、「広告フォーマット(ディスプレイや動画やネイティブ)」、「ソリューションの技術的な洗練度(トランザクションオートメーションとワークフローオートメーション)」などによって違ってくるでしょう。

結果、文脈によって「透明性」というものが大きく変化する可能性が出てくるので、把握が難しい場合があるのです。
PubMaticは、持続可能なテイクレートは20~25%だと考えています。そしてこの数値は「同エコシステムの大手公開企業が現在実施しているものに一致しています。こうした料金は、価値を認識しているバイヤーとセラーの双方が継続的に共有していくものです。こうした料金は、契約の取り決めの中にあるべきもので、実際にカバーされています。そして、テイクレートは、量が増えることで低下していくかもしれません。また、市場が進化してプログラマティックにおける直接販売のブランド支出が増え、変化する可能性もあります。しかし、そこには自然な規制の力が働くものです。まず、テイクレートが高すぎれば、競合の市場参入と競争が誘発されるでしょう。反対に低すぎると、企業は継続できず、ほかの機会に集中するか、事業を停止することになるはずです。

私たちはパブリッシャーのニーズに注力したソフトウェアプラットフォーム企業であって、エコシステム内のエクスチェンジとは異なります。透明性に関して一番大事なのはコントロールだと考えています。そして、顧客がプログラマティック広告ビジネスをコントロールして、価格と手数料の構造を自ら設定できるようにすることが必須であると思っています。そうした理由から、オークションの実施と終了において、他の料金がかからずCPMのサブスクリプションモデルで、当社の技術をパブリッシャーに使ってもらえる、技術的なビジネスモデルを様々に市場へ投入しています。目指しているのは、顧客の色々なニーズを満たすことのできる多種多様なソリューションを提供することです。

品質の要求

ブランドセーフティやビューアビリティ、そして広告詐欺まで。デジタルサプライチェーン全体の品質に関する懸念は、依然として業界の議論の中心となっています。インベントリと広告の質の両面に、パブリッシャーと広告主を同様に保護する透明性が求められています。そして実際、デジタルメディアのバイヤーとセラーの間に直接の関係性が復活し、そこで品質基準の確保ができるようになってきています。また、WhiteOps、Integral Ad Science、Moatなどのサプライチェーンを検証する企業や、ads.txtなどの新しいイノベーションがどんどん登場しています。

Procter & Gamble(P&G)の最高ブランド責任者、マーク・プリチャード(Marc Pritchard)氏は、今では有名になったスピーチの中で「P&Gは有言実行しており、パートナーに責任あるサプライチェーンの管理を義務づけている」と言い切りました。その後、IABから最近「メンバーはTrustworthy Accountability Group(TAG)に登録しなければならない」という指令が下されました。これはいい兆しだと思います。「議論」だけに留まらず「実行計画」が出てきたということだからです。

未来に向けた意味

私たちは現在、アルゴリズム、インフラ、およびイノベーションが、競争においての優位性を生み出す環境の中にいます。もちろん、パブリッシャーとメディアバイヤーは、結果を向上させKPIを達成することが重要です。しかしそれだけでなく、エコシステム全体に対して啓発とサポートを提供しているPubMaticのようなパートナーと協力する必要もあります。私たちの業界は進化し続けており、ブランド広告費のプログラマティックチャネルへの移行が増大しています。そのため、今後ますます信頼できるパートナーの必要性が高まっていくと言えます。

PubMaticが目指しているのは、インベントリと広告の質に関する透明性や、ビジネスモデルの透明性を提供することです。そしてその上で、パブリッシャーのインベントリの価格設定の管理能力が向上していけば、と考えています。この管理能力をパブリッシャー顧客に提供しているのはPubMaticだけです。将来的に最高レベルの透明性をもたらすことになるでしょう。