ガイダンスを上回る売上高および調整後EBITDAを達成
政治広告を除くCTV収益が前年比50%以上増加
Activate収益が前年比100%以上増加
AIプラットフォームによりキャンペーン設定時間を87%短縮、問題解決を70%高速化
中堅市場向けDSPパートナーからの広告支出が前年比25%増加
デジタル広告の未来のサプライチェーンを提供する独立系テクノロジー企業であるPubMatic, Inc.(Nasdaq: PUBM)は、2025年9月30日締めの第3四半期の業績を発表しました。
PubMaticの共同創設者兼CEOであるRajeev Goelは以下のように述べています。
「当社はガイダンスを上回る売上高と調整後EBITDA、そして堅調なキャッシュフローを達成しました。政治広告を除くCTVの成長率は前年比50%を超え、市場全体の成長率を大幅に上回りました。これらの成果は、当社プラットフォームの強み、事業の多角化、そしてイノベーションの加速を示すものです。
AIの早期導入企業として、当社のリーダーシップはプログラマティック広告のインフラ層、アプリケーション層、トランザクション層にわたり確立されています。これは当社の明確な競争優位性です。NVIDIAとの協業を通じて、当社のインフラは同業他社に数年先行していると考えています。また、バイヤーおよびパブリッシャー向けに新たに立ち上げたAIプラットフォームにより、測定可能で追加的な収益機会を創出し、競争上の優位性をさらに強化しました。業界が急速に再定義される中で、当社はその未来を形づくり、広告パフォーマンス、透明性、自動化を推進しています。」
2025年第3四半期の財務ハイライト:
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第3四半期の売上高は6,800万ドル(前年同期7,180万ドル)。前年同期には政治広告による500万ドルの売上を含む。
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ネット・ドルベース・リテンション(過去12か月)は98%(前年同期112%)。
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GAAPベースの純損失は650万ドル(マージン▲9%)、1株当たり損失0.14ドル(前年同期:純損失90万ドル、マージン▲1%、1株当たり損失0.02ドル)。
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調整後EBITDAは1,120万ドル(マージン16%)、前年同期は1,850万ドル(マージン26%)。
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Non-GAAPベースの純利益は160万ドル(1株当たり0.03ドル)、前年同期は660万ドル(1株当たり0.12ドル)。
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営業活動によるキャッシュフローは3,240万ドル(前年同期1,910万ドル)。
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現金および現金同等物は1億3,650万ドル(2025年9月30日時点)、負債なし。
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株式買戻しプログラムを通じて、累計1億8,060万ドルを用い、Class A普通株式1,240万株(希薄化後発行済株式総数の24%)を買い戻し。
事業ハイライト:
オムニチャネルプラットフォームが主要成長分野での収益を牽引
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政治広告を除くCTVの収益は前年比50%以上増加。Tubi、Future Today、LocalNowなどの無料広告配信ストリーミングサービスとの提携を新たに拡大し、世界上位30ストリーマーのうち90%以上がPubMatic上で稼働。
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政治広告を除くオムニチャネル動画(CTV含む)収益は前年比21%増。
最先端AIイノベーションがパフォーマンスと競争優位を強化
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NVIDIAとの複数年にわたる技術協業を通じ、世界最先端のGPUアーキテクチャ上に次世代AIモデルを展開。
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これによりウォールドガーデンプラットフォームに対するインフラ優位を縮小。
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入札応答速度が5倍に向上し、新たな最適化戦略を実現。
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オークションタイムアウトを85%削減し、レイテンシーによる広告損失を大幅に回復。
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サーバーあたりの広告リクエスト処理件数が3倍に増加。
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データセンターラックを5台から1台に統合し、利益率を改善。
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新たなAIプラットフォームが収益と効率性を加速
- パブリッシャー向けAIプラットフォームを正式リリース。パブリッシャーが収益、データ、デマンドを自らコントロール可能に。自動収益最適化、ファーストパーティデータの収益化、高付加価値メディア予算への直接アクセスを統合。
- 17のAIエージェントが収益最適化、診断、クリエイティブ設定を支援。
- 新たにAIによる収益最適化ソリューションを導入し、平均10%の収益増加を実現。
- PubMaticのAI搭載エンドツーエンド広告プラットフォームは、キャンペーン設定時間を87%短縮、問題解決を70%高速化。
CTV分野でのリーダーシップを強化
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AI搭載ライブスポーツマーケットプレイスの広告取引量が前四半期比150%超増加。
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世界的コンテンツ制作会社Fremantleでは、プログラマティックデマンドが78%増加。
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「Pause Ads」をCTV向けに新たに導入。視聴者がコンテンツを一時停止した際に、動的かつ文脈に即した広告を配信可能に。ブランドセーフな新しい広告フォーマットとして高いエンゲージメントを実現。
バイヤーサイドでのリーチを拡大
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サプライパス最適化(SPO)は全取引の55%以上に拡大(前年50%)。
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Activateの導入企業が過去9か月で35%増加、アクティブキャンペーン数は4倍に成長。
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大手DSPとの協業により、プレミアム動画コンテンツでのProgrammatic Guaranteed取引を開始。取引設定の簡略化とキャンペーン開始の迅速化を実現。
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Blisとの提携により、自動車・小売・金融サービスなど、オフライン測定を重視するブランドデマンドを拡大。
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レガシーDSP以外のパフォーマンスマーケターおよび中堅DSPからの広告支出が前年比25%以上増加。
新興収益源を拡大
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キュレーション、コマースメディア、非SSP関連を含む新興収益が前年比80%増。
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AI収益最適化ソリューションが数千万ドル規模の追加収益を創出し、新たな収益源に。
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Nielsenをはじめとする主要データプロバイダーとの提携を拡大。PubMaticは豪州市場におけるNielsen独占のセールスサイドパートナーとして1万以上のオーディエンスセグメントを提供。
自社インフラによる効率化
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インフラ最適化と設備投資の抑制により、処理インプレッション数は前年同期比24%増の約87兆件に到達。
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100万インプレッションあたりの売上原価は過去12か月比で19%減少。
PubMaticのCFOであるSteve Pantelickは以下のように述べています。
「当社は売上高および調整後EBITDAの双方で予想を上回る成果を上げました。これはCTV、オンライン動画、モバイルアプリ分野の好調な伸びと、AI活用による効率化の成果です。支出を最適化し、健全な利益率とキャッシュフローを維持しました。今後も新たな収益源の創出、SPOおよびCTVリーダーシップの拡大、DSPミックスの多様化を進め、収益成長の再加速とともに利益率の向上を見込んでいます。」
財務見通し:
当社の財務見通しは、現在のマクロ経済および地政学的状況に関連して、一般的な市場環境が大幅に悪化しないことを想定しています。
2025年第4四半期について、当社は以下のように予測しています。
- 売上高:7,200万ドルから7,600万ドル(主要DSPの影響を含む)
- 調整後EBITDA:1,800万ドルから2,000万ドル(マージン約26%)為替変動(ユーロおよびポンド)の影響を想定