TCL AdsPubMaticの導入で中南米におけるCTV収益の拡大を実現

1981年に設立され中国に本社を置くTCLは、世界最大級の電子機器メーカーです。世界に2億4000万台以上のスマートデバイスを出荷し、南北アメリカ、欧州、アジア太平洋地域へと国際的な存在感を広げるTCLは、独自のグローバル広告マネタイズプラットフォームであるTCL Adsを確立し、大手ハードウェアメーカーからコネクテッドTV(CTV)広告のグローバル企業へと急速に変貌しつつあります。

課題

TCL Adsがグローバルに展開するなかで、中南米地域は大きなポテンシャルを示すものの、マネタイズ面で重大な課題がありました。CPMはベンチマークを下回り、フィルレートは不安定で、バイヤーの認知度が低いためインベントリが過小評価されていました。また、小規模なSSPとオープンオークションへの依存により、プレミアムデマンドへのアクセスと地域のCTV専門知識が限られていました。運用上の非効率性も問題をさらに悪化させていました。ads.txt認証の煩雑さは再販のリスクを伴い、サーバーサイド広告挿入(SSAI)の統合における障壁は、DSPの分類ミスと無効トラフィックの懸念を生じさせました。バイヤーとの強固な関係、標準化されたインフラ、検証済みの透明性がないことで、TCL Adsは競争の激しい中南米の動画市場で信頼を築くのに苦労していました。担当チームは、価格設定の引き上げ、収益の安定化、ブランド広告支出の増加を実現するために、地域に深く根差したグローバルパートナーを必要としていました。

ソリューション: PUBMATIC PMP

これらの障壁を克服するため、TCL AdsはPubMaticのSSPおよびPMPソリューションを選択し、中南米のCTVインベントリにプログラマティック広告のスケール、プレミアムデマンド、収益化の透明性をもたらすことに注力しました。TCL AdsとPubMaticは協力してプライベートオークションとプログラマティックギャランティード(PG)ディールを開始し、広告主がTCLのインベントリに安心して追加予算を投入できる道筋を構築しました。このアプローチにより、オープンオークションへの依存が軽減され、それまで手の届かなかったブランドからのダイレクトな広告支出が実現しました。

PubMaticは、新しい取引タイプを可能にしただけでなく、TCL Adsの業務効率化にも貢献しました。承認とレポート作成に関わる手作業の負荷は大幅に軽減され、レポート作成の自動化だけでも、担当チームで毎週10時間以上を節約できました。広告認証プロバイダーのHUMANによるIVT(無効なトラフィック)判定の導入により、不正防止とコンプライアンスが強化され、新たなバイヤー許可リストフレームワークにより、SSAI設定に関連する分類ミスのリスクが排除されました。特に重要なのは、PubMaticがこの地域で築いてきたエージェンシーおよびDSPとの強力な関係により、グローバル企業の広告予算に直接アクセスできるようになり、P&GやHyundaiといったブランドからの支出増加を確保できたことです。こうした運用上の成果とバイヤーの信頼の向上が相まって、TCL Adsは大規模な新規収益を獲得しただけでなく、急成長を遂げる中南米のCTV市場におけるブランド認知度と価格決定力も強化することができました。

数字で見る成果

12

広告収益増加

13

PMP収益増加

94%

PMPからの広告収益
出典: PubMatic社内データ、2025年第3四半期と2025年第1四半期との比較