公平感に欠ける入札、広告の読み込みの遅さ……インターネット広告のマネタイゼーション戦略に不満のあるパブリッシャーは少なくないでしょう。
OpenWrapは、ヘッダー入札を支援する「ラッパーソリューション」の一つです。デスクトップ、モバイル、アプリ、動画など、あらゆるフォーマットでパブリッシャーの広告選定戦略を最適化します。
ここでは、ラッパーソリューションの概要とOpenWrapの特徴についてご説明します。
ウォーターフォールとヘッダー入札
もともとデジタル広告のオークションは、「ウォーターフォール」と呼ばれる方法で行われることが主流でした。この方法では、数珠つなぎに繋がれたSSPを上から順に呼び込みます。そして、フロアプライスを上回った時点でリクエストが約定し、入札自体が完了となっていました。
このやり方では、在庫のマネタイズが十分にできない恐れがあります。たとえば、フロアプライスが2.5ドルでウォータフォールの2番目のSSPに2.75ドルの入札があった場合、仮に3番目のSSPにそれを上回る3.25ドルの入札があっても2番目のSSPが勝利します。3番目のSSPは、入札する機会すら与えられません。
そこで、在庫のマネタイズをめぐる課題を解決するために登場したのが、「ヘッダー入札」です。ヘッダー入札によって、SSPを公平に呼び出すことができ、マネタイズの問題が改善されます。
複数のヘッダー入札を管理するために生まれたラッパーソリューション
日本では、2017年の初め頃から急速にヘッダー入札が普及していきました。しかし、ヘッダー入札にはいくつか大きな問題がありました。その一つが、複数のヘッダー入札を管理する際の煩雑さです。
ヘッダー入札自体は複数のDSPやSSP、エクスチェンジによって提供されています。パブリッシャーは競争を高めるためにそれぞれのヘッダー入札の導入を検討しますが、その際の導入工数と導入した後のレイテンシーの管理やレポーティングの煩雑さが問題となります。
そのような問題を受けて登場したのが、冒頭でも触れた「ラッパーソリューション」です。ラッパーとは、複数のヘッダー入札を処理する為のJavaSriptタグです。複数のヘッダー入札を1つのタグでラッピング(くるんで)して取り扱うことで、パブリッシャーの管理工数を改善することを目指すものです。日本では、2017年の後半から普及し始めています。
ラッパーソリューションにおける「オープンソース vs クローズド」の対立
ラッパーソリューションには、大きく分けて2つの種類があります。一つは一般に公開されているオープンソースの技術を用いたもの、もう一つは特定の企業が開発したクローズドなものです。
それぞれ、以下のように長所・短所があります。
【オープンソース】
長所 | 短所 |
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【クローズド】
長所 | 短所 |
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そもそも、ラッパーを活用する目的は中長期的にビジネスを維持・拡大し、特定の企業に依存せずにパブリッシャーがマネタイズをコントロールすることです。その点を踏まえると、データの分析がしにくく、技術サポートが乏しいオープンソースラッパーも、透明性が低く追加できるデマンドに制限のあるクローズドラッパーも完璧なソリューションとは言い難いのが実情です。
「いいとこ取り」のOpenWrap
以上を踏まえて、PubMaticが提供するOpenWrapではオープンソースのラッパーであるPrebid.jsの技術をベースにラッパー専用のレポーティングツールやダッシュボードを追加した形で提供するに至りました。要するに、オープンソース型のラッパーソリューションとクローズド型のラッパーソリューションの良い点を併せ持ったのがOpenWrapです。
これによって、オープンソースの長所である透明性や追加できるデマンドの幅広さを維持しつつ、クローズド型の特徴であるレポーティングツールやダッシュボード、企業による良質なサポート体制を実現できます。パブリッシャーは、高度なマネタイズを充実したサポートの下で進められるのです。
OpenWrapの導入はきわめて簡単です。弊社側で発行したタグをサイトのヘッダー部分に設置していただくだけで、その他必要な作業はほとんど弊社が担当します。パブリッシャーの技術リソースに制限があったとしても、利用が可能です。
導入が簡単であるだけでなく、OpenWrapはパブリッシャーの中長期的なニーズに合わせられる柔軟性とサポートを備えています。企業向けの充実したサポート体制を備えたOpenWrapで、広告枠運用の効率化とマネタイズ品質の向上を図ることができます。
「最新のデジタル広告戦略に興味はあるが、自社にそこまでする余裕がない」といったお悩みを抱えている場合や「中長期的なマネタイズ戦略に最適なラッパーを決めかねている」といった場合は、以下からご連絡いただきご相談ください。