2017年10月5日に、「デジタル広告の透明性」というトピックで、二回目のPubAcademy Japanを開催しました。これは2017年10月2日に私が、パブマティック株式会社の新しいカントリーマネージャとして就任して以来、最初のPubAacdemyとなり、クライアントに自己紹介する大変いい機会となりました。
デジタル広告と透明性
今回の「デジタル広告の透明性」の課題は、ここ数か月間、デジタル広告業界の前線で生じた問題で、当社が提唱しているトピックでもあります。このプログラマティックのランドスケープの急速な進化は、パブリッシャーとデマンドに機会創出を促しただけでなく、デジタル広告におけるエコシステムをどうベストなものに導いていくかというテーマに関しては、複雑性と混乱を生じやすくしてきた、という側面もあります。私たちが顧客やパートナーと誠意をもって向き合うことが、業界の挑戦に取り組み、市場を育成する上で不可欠であると私は信じています。
「Let’s Be Clear」というPubMaticのキャンペーンの説明を私自身の挨拶の際にいたしました。PubMaticは以前から透明性に関して長い間コミットメントを維持してきました。また、デジタル広告の取引や当社のビジネスについてもオープンにしてまいりました。この「Let’s Be Clear」キャンペーンには、インベントリの品質、ビューアビリティ、広告品質といった透明性の課題について、市場を育成するという狙いがあります。
日本市場では、業界関係者はブランドセーフティーと広告詐欺に関して興味があります。市場に差異はありますが、当社は、透明性に関連する究極の対策はコントロールであると信じています。私たちのエコシステムにおける透明性の高さは、広告選定、品質、ユーザーエクスペリエンスといったものがパブリッシャーに取り戻された際に達成されるのです。
PubAcademyのハイライト
最初のスピーカーは当社のAssociate Director, Platform Solutions APAC 小林 真紗美で、「ヘッダー入札の今までとこれから」というタイトルのプレゼンテーションを講演しました。小林は、参加者に対し「ヘッダー入札とラッパーソリューションとは何でしょうか?」と尋ねるところから発表を始め、PubMaticのOpenWrapソリューションを使用した説得力のあるパブリッシャーの成功事例やソリューションが提供するマネタイゼーション拡大の機会について話をしました。
次のプレゼンテーションは、当社のCustomer Success Manager Japanである今井 春衣により発表されました。今井は、PubMaticのOpenWrapソリューションが実現するベネフィットやどのように、広告の透明性の向上に寄与するかを発表しました。現在の市場にあるヘッダー入札とラッパーソリューションの多くは極端に保守的で、不完全なものです。こういったものではなく、OpenWrapは最も幅広く使用されているオープンソースのコンテナスクリプトPrebid.jsを使用しており、パブリッシャーが透明なアクセスを介して、幅広い需要をもつパートナーへのニーズに応えることを可能にします。そして、それを大手企業のマネジメント層と、広告収益を効率的に増加させることを要求される専用サポートとの連携を実現させます。
最後のセッションは「ビューアビリティの現状と機会創出」というタイトルのパネルディスカッションでした。パネリストにフィナンシャル・タイムズ、コマーシャルディレクター、アジアパシフィック、星野 裕子氏とThe Trade Desk Japan株式会社、Country Manager, Japan 新谷 哲也氏を迎え、モデレーターを当社のDirector, Customer Successである廣瀬 道輝がつとめました。
不安の低減
廣瀬は、グローバルのプログラマティック広告市場において、2019年に8:2の割合でブランド広告がダイレクトレスポンス広告より優勢になると予測されているという、市場リサーチの説明からこのパネルディスカッションを開始しました。(出典:IDCとPubMaticの分析) さらに、2020年に東京オリンピックが開催されるため、国際的なブランド企業は日本に注目を集めていると話をしました。つまり、広告の透明性をめぐる課題について取り組むことは、必然性がある待ったなしの状況なのです。パネリストのお二人は、収益機会損失を避けるため、パブリッシャーがビューアビリティの測定を優先する必要があることを力説されました。The Trade Desk Japanの新谷氏は同社のクライアントがリターゲティングからブランドセーフティーとビューアビリティの向上に重点を移していることを説明しました。廣瀬が、参加者であるパブリッシャーに、現在サードパーティーのビューアビリティツールを使用しているかを質問しましたが、多くの方が導入されていないことがわかりました。また、フィナンシャル・タイムズの星野氏は、「CPH」(Cost Per Hour:広告視聴時間ベースの課金)を指標として利用し、広告主にビューアビリティとブランドセーフティーとプライシング、広告詐称への対応を保証するFT Commercial Charter(宣言書)を発行したことを説明されました。
今後の展望
参加者の皆様からは、イベントが有益で価値ある時間だったという、とてもよいご意見を頂きました。特に、パブリッシャー、SSP、DSPの企業および広告代理店が、業界について議論を一緒にするために集まる機会を得ることができたという意見が多くいただき、うれしい限りです。当社が最も達成しなければならない目的は、バブリッシャーおよびデマンドの両サイドに渡るディシジョンメーカー交流する機会を提供し、オープンなフォーラムにてデジタル広告のランドスケープに影響を与える主要な問題について議論することです。多くのトピックが話し合われ、スピーカーたちは専門知識を共有し、素晴らしい仕事を成し遂げてくれました。このような情報提供の場が、透明性を改善するための最初のステップとなることを信じております。