今年の3月、デジタルメディア業界における広告品質をめぐる論議が巻き起こりました。ただし、これは新しい話題だったわけではなく、それ以前にも明確な意見が、たびたび示されてきました。(英文記事1 or 英文記事2)。それでもやはり、「品質が高いといいね」ではなく「品質が高いことが必須」になったのはあの2017年の前半のことだったのだなと将来的に多くの人が感じることになるのではないかと、私は思っています。
問題の範囲や根本的な責任の所在については、これからも議論が続くことでしょう。しかし、「この業界の全員が責任を持って、品質の懸念に対処するため役割を果たさなければならない」ということに関してはもはや議論の余地はなくなったはずです。そうでなければ、パブリッシャーや広告主、そして消費者から信頼されなくなっていくに違いありません。
PubMaticは、全体論的なアプローチによって、パブリッシャーと購入パートナーの両者に対し品質を確保しています。「マルウェア付きの広告」、「質の低い広告」、そして「パブリッシャーの基準を満たしていない広告」などからパブリッシャーを守っています。また、「効果のないトラフィック」、「問題のあるコンテンツ」、「閲覧できないインベントリ」などからも広告主を保護しています。これらはすべて、あらゆる画面と広告フォーマットについて実施していかなければなりません。
そのような包括的なソリューションを実装する際に、検討を必要とする極めて重要な領域が2つあります。第一は製品とパートナーシップ、つまり実際のテクノロジーと情報のことです。そして第二はポリシーとプロセス、その情報で何をするのか、ということです。
製品とパートナーシップ
業界は品質に関する新しいソリューションと標準化を急ピッチで推進しています。しかし、それを上回るペースで「悪党たち」が回避策を開発しています。「品質」に属する一連の広範な課題が高度化し続けていますから、企業が単独で常に相手を上回り、完全に対処することはまずできません。だからこそ、企業は社内でソリューションを開発するだけでなく、クラス最高のサードパーティベンダーと組んで優位を保っていく必要があるのです。万能な企業など存在しないのです。
PubMaticでは、リアルタイムの広告スキャンツールやクリエイティブ分類ツールといった独自の技術を組み合わせて活用しています。そして、それだけでなくIAS、WhiteOps、The Media Trust、Confiantといった業界のリーダー企業との提携もしています。このアプローチにより、自社のソリューションの効率と効果を向上させるツールを開発しながら、脆弱になりかねない部分において、パートナーにサポートしてもらうことが可能になります。
ポリシーとプロセス
入手した情報を使って意味のある行動を取る手順がなければ、ツールやパートナーシップの利点を活かすことはできません。
だからこそPubMaticは、品質基準を満たすように目標と基準値を定め、それを実現するための明確なプロセスに従い、パートナーについては広告詐欺を許さない、という厳格なポリシーをとっています。一例として、私たちはインベントリの品質面について、日次レポートによるレビューを実装しました。問題を検出したら、ただちにパブリッシャーに連絡して行動計画を策定します。そして定められている期間内において改善が見られなければ、該当アカウントの停止や凍結の措置を取ります。さらには、この取り組みを監視する専用の品質コンプライアンスチームも設置しました。
エコシステム内部の繋がりがここまで錯綜しているのですから、品質とブランドセーフティを最重要視しない組織を、サプライチェーン内に許容できるはずがありません。製品とパートナーシップを採用し、バイヤー、パブリッシャー、そしてサービスを受けるオーディエンスの共通の利益を守るポリシーとプロセスに支えられた、信頼できる安全な環境を構築する。これは、業界に属する全企業の使命です。