ゲームアプリやユーティリティアプリの開発者は、一般的にアプリ内広告による収益に注力していますが、クリック数やインストール数に基づくパフォーマンス広告を犠牲にすることなく、ブランドバイヤーを取り込むことで収益を増やす機会があります。
具体的には、パブリッシャーはブランド専用の配置レイヤーを追加することができます。すでにモバイルマネタイズプラットフォームと連携しているアプリ開発者は、まず「ブランド需要とパフォーマンス需要をどのように組み合わせるか」を検討すべきです。アプリパブリッシャーは、これまでパフォーマンス広告によるマネタイズに注力してきたかもしれませんが、ブランド支出にも目を向けるべきなのです。
以下は、パブリッシャーがブランドにアピールし、広告獲得につなげるための5つの方法です。
ブランド向けにモバイルインベントリを最適化する
厳しい経済状況のなか、ブランドと広告主は予算をより効果的に使い、メディアがより説明責任を果たすことを求めています。サプライチェーンの透明性とアップルのATT(App Tracking Transparency)フレームワークは、業界のオペレーション慣行に破壊をもたらしました。「app-ads.txt」を採用し、Open Measurement SDK(OM SDK)のサポートを有効にすることは、アプリ開発者にとって基本的なブランドマネタイズの要件となっています。
ブランド需要を強化するため、パブリッシャーはブランドバイヤーの目標とKPIを考慮し、それらに応じてアプリインベントリを最適化する必要があります。つまり、ブランドセーフティを向上させるだけでなく、ブランドがCTR、動画視聴完了率、ビューアビリティなどの重要な指標を達成できるよう支援する機会を見つける必要があるのです。
終了画面にブランド広告向けの配置を組み込む
ゲームやユーティリティのパブリッシャーはまた、ブランドバイヤーにアピールしてより多くの収益を獲得するために、専用の配置を新設する必要があります。もちろんこうした配置は、広告主がゲームやユーティリティの環境を中断することなく、ユーザーの注目を得られる場所であるべきです。
そうした配置の一例が、終了画面広告です。これは、ユーザーがプレイを終えてからアプリを離脱する前に、アプリがインタースティシャル動画やアウトストリーム動画を表示するものです。この広告は、中断の少ない形式でブランド支出に特化した配置として理想的です。
表示する動画広告を増やす
ゲームやユーティリティのパブリッシャーは、ブランド広告獲得戦略の一環として、すでにバナー広告を適用しているかもしれません。しかし、ブランドは動画も好んで提供しているため、動画広告を受け入れる戦略はバナー広告よりも高いeCPMの達成につながります。他の選択肢としては、ゲーム内のインタースティシャル広告があります。これは、ブランド戦略のカテゴリーに入る、ファネル上部の消費者向けに設計されています。言い換えれば、ブランドにとってディスプレイ広告のみの戦略では不十分なのです。ここで説明したような追加の戦術は、より多くのブランド広告予算を獲得するのに役立つでしょう。
デュアル入札によるネイティブ広告配置を検討する
ネイティブ広告について考えてみましょう。ネイティブ広告はクリックやアクションにつながるので、これまではパフォーマンス広告向けの配置とみなされてきました。しかし、埋まっていないネイティブ広告の配置をアウトストリーム動画広告が占めることもあり、この場合はパフォーマンス広告向けの配置がブランド広告の配置に変わります。パブリッシャーはネイティブ動画とアウトストリーム動画の両方の入札を要求する「デュアル入札」戦略を適用して、配置のフィルレートを最大化できるようになります。
プログラマティック広告配置にアップグレードする
ゲーム内広告は最近まで静的なものでしたが、IABと測定の標準化のおかげで、プログラマティック広告の機会がさらに増えています。これにより、パブリッシャーはユーザーの好みに基づいて広告配置を変更することができます。当然その結果として、静的な配置よりも優れた体験が得られます。さらに、ブランドバイヤーには、既存のパフォーマンス戦略以上に、ゲームセッション中にユーザーとエンゲージする機会が与えられます。