eMarketerは、プログラマティックモバイルディスプレイ広告の支出額が2019年までに360億ドル(eMarkterの英語でのレポート記事)に達すると予測しています。パブリッシャーにとっては、絶好の機会です。EMEA市場は特に、モバイル機器の普及(弊社英語ブログ記事)に伴って着実に成長しています。モバイル関連の支出が増加し、広告関連の技術も成長しているのです。
PubMaticが四半期ごとに発表している2017年第4四半期 「Quarterly Mobile Index」レポート(英語)によれば、2017年、モバイルウェブヘッダー入札のインプレッション数はAPAC市場で前年比43倍、EMEA市場で4倍に拡大しました。パブリッシャーが衝撃を受けるほどの成長ではないかもしれませんが、この成長に隠された主要トレンドが新たな機会をもたらすはずです。
その中でも、特筆すべきトレンドは2つ。「モバイルウェブヘッダー入札の成長」と「アプリ内ヘッダー入札の台頭」です。
モバイルウェブヘッダー入札のトレンド
PubMaticは「Quarterly Mobile Index」レポート(英語)で、ヘッダー入札は2017年に成熟期を迎えた(英語版デジタルレポート)と断言しています。マネタイズされたインプレッション数が前年比200%超を記録したためです。ヘッダー入札はあらゆるバーチカル、デバイス、地域に広がり、この成長がデジタル広告のマネタイゼーションを向上させました。
当社の分析によると、ヘッダー入札のインプレッション数はデスクトップよりモバイルの方が急激に伸びており、モバイル対応のパブリッシャーは成長のチャンスととらえています。2017年にPubMaticのヘッダー入札でマネタイズされたインプレッション数は前年比162%増でした。内訳は、モバイルウェブが244%増、デスクトップが148%増です。
ヘッダー入札は2018年もプログラマティック戦略の中心的な役割を果たすと、当社は予測しています。パブリッシャーがウォーターフォール型入札をやめてデマンドソースを一本化するなか、ヘッダー入札は動画やアプリ内にまで広がり、eCPMを引き上げ続けているためです。詳細については、インタラクティブなデジタル版レポート(英語)を参照してください。
モバイルの今後は? アプリ内ヘッダー入札の台頭
モバイルウェブヘッダー入札はすでに成功を収めていますが、モバイルにはまだ武器があります。それはアプリ内ヘッダー入札です。2月には、オープンソースレポジトリ「Prebid」のモバイル版が「GitHub」で公開されました。対応OSはAndroidとiOSです。
モバイルアプリ内ヘッダー入札は透明性、レイテンシの短縮、ユーザー体験の向上など、さまざまなメリットをもたらします。もちろん、パブリッシャーにとっては、効率的なインテグレーションというメリットもあります。
アプリ内ヘッダー入札の重要かつ必要なメリットは、オークションダイナミクスの透明性向上でしょう。現状では、モバイルアプリのパブリッシャーはタグベースのウォーターフォール型入札でマネタイズするしかなく、不透明な環境で、多くのインプレッションが売れ残ったり、過小評価されたりしています。一方、アプリ内ヘッダー入札は公正で透明性の高いオークションダイナミクスを実現するため、最終的には、マネタイゼーションも向上するはずです。
また、アプリ内ヘッダー入札では、サードパーティーのデマンドがサーバー間で統合されるため、パブリッシャーはエグゼキューションを簡略化し、デマンドサイドのパートナーの管理を効率化できます。アプリのコードを書き換えることなく、デマンドパートナーを容易に追加、削除できるようになるでしょう。
最後に、アプリ内ヘッダー入札はユーザー体験の向上にもつながります。エンゲージメントの高い重要なユーザーをつなぎ止める鍵はユーザー体験です。ウォーターフォール型入札を排除し、オークションをサーバー間で統合すれば、レイテンシ(弊社英語ブログ記事)は大幅に短縮されるでしょう。
アプリ内ソリューションは更に増えていくことが予想されるため、ヘッダー入札は絶頂期を迎えることになるでしょう。近い将来、ヘッダー入札は動画広告やネイティブ広告にまで広がると考えられるため、パブリッシャーのチャンスも拡大し続けるでしょう。
サーバー間で統合されたアプリ内ヘッダー入札でPubMaticのOpenWrapがどのように機能するかを知りたい人は、PubMaticまでお気軽にお問い合わせください。また、OpenWrapとヘッダー入札に関する資料もこちらに用意しています