ヘッダー入札とラッパーソリューションは、それまでプログラマティック戦略で使われていた閉鎖的で柔軟性のないウォーターフォール型の枠組みに対し、よりオープンで柔軟な代替案をパブリッシャーに提供するものとして登場しました。この技術は、インプレッションレベルにおけるデマンドソースへのアクセスを拡大する効果があり、これは一般に「インベントリの民主化」という表現で説明されています。しかし、状況の複雑化によって、パブリッシャーはヘッダー入札戦略に関して妥協を余儀なくされ、絶え間なく進化する将来に向けた効果的な準備が難しくなっています。今、それが変わろうとしています。
エンタープライズ対オープンソースの争い
パブリッシャーは、明確に異なる2つのラッパー実装のどちらかを選ぶことが必要になってきました。1つ目の選択肢は、エンタープライズクラスのサービス、アカウント管理、レポーティングツール、技術サポートなどを備えた、プロプライエタリな技術を活用するというものです。しかし、このソリューションは、ことあるごとに料金が発生するところがある一方で、自社のプロプライエタリな技術にパブリッシャーを同調させるインセンティブとして無料でサービスを提供するところもあり、幅広い需要へのアクセスやパートナーの変更がますます難しくなってきています。
2つ目の選択肢は、オープンソースのソリューションを取り入れるというものです。最も広く採用されているソリューションであるPrebid.jsなら、開発者の活発なオープンソースコミュニティが開発した膨大な数のヘッダー入札アダプターに加えて、透明性が提供されています。しかし、Prebid(および大半の非エンタープライズのオープンソースソリューション)は、管理ツールとレポーティングが限定的で、アカウント管理がなく、多くの場合、サポートはメッセージボードの投稿をひとつひとつ調べる形になります。
パブリッシャーは、この2つのどちらかを選ぶことを余儀なくされ、どうしても妥協が必要です。さらに、業界がクライアントサイドのヘッダー入札からサーバーサイドのヘッダー入札へと移行し始めたため、2つの選択肢の差はますます明確なものとなり、それでなくても困難な選択が、いっそう複雑化しました。
コントロールをパブリッシャーに取り戻す
パブリッシャーの売り上げ戦略において、ラッパーの戦略的な性質は強まりましたが、「民主的」な部分は弱まっています。PubMaticは、二分化が進む状況に対し、パブリッシャーの選択権とコントロールをさらに強める必要があると考えました。PubMaticのヘッダー入札ソリューションは、クラス最高のパブリッシャー向けツールと、パブリッシャーにとって追加負担のない技術サポートおよびアカウントサポートを常に提供してきました。これに対し、Prebid.jsは、ヘッダー入札アダプターが70を超え、最も広く採用されているオープンソースのコンテナタグになりました。オープンソースのコミュニティが、幅広いデマンドソースにアクセスするという問題を、ヘッダー入札アダプターを通じて解決したのです。そこで、PubMaticは、コントロールとインサイトに対するパブリッシャーのニーズに応えることに注力するという判断を下しました。
2つのいいとこ取りをする
パブリッシャーが将来に効果的に備えるには、エンタープライズクラスの管理ツールとサポートに、業界最大のオープンソースヘッダー入札コミュニティの規模と透明性を加える、2つの世界のいいとこ取りが必要なのです。
このニーズを満たすため、PubMaticは本日、OpenWrapを導入しました。Prebid.jsを拡張するこのソリューションなら、パブリッシャーは将来にわたって有効な長期戦略を策定できます。OpenWrapによる、完全なサポートが受けられるクライアントサイドとサーバーサイドのハイブリッドラッパーは、ヘッダー入札を組み込むためにこれまでパブリッシャーが重ねてきた投資を活用して、収益の増大とパートナー管理のシンプル化を、すべて追加コストなしで実現します。
ヘッダー入札のエコシステムは絶え間なく進化しており、パブリッシャーが広告選定のコントロールを完全に取り戻すことはますます重要性を増しています。ゲームをリードして将来にわたって有効な戦略を策定するため、パブリッシャーは2つの世界のいいとこ取りが可能な技術を選ぶべきです。