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By Peter Ackerman, Senior Director, Product Marketing
May 28, 2024

メディア消費の状況が絶えず進化するなか、TVの世界では視聴行動に大きな変化が見られました。従来のTV放送は、かつて誰もが認めるマスリーチの王者でしたが、その地位が崩れつつあります。というのも、消費者が娯楽のニーズをコネクテッドTV(CTV)などのデジタル環境に向ける傾向を強めているからです。こうしたメディア状況の激変は、パブリッシャー、広告主、テクノロジープロバイダーにとって、課題と機会の両方を生み出してきました。

変化する状況を把握する

オーディエンスが従来型TVからストリーミング環境に急速に移行していることは紛れもない事実です。従来のTV視聴状況を把握する上で重要な指標とされてきた視聴率は、ここ数年一貫して低下傾向にあります。特筆すべきは、デジタル動画とCTVが強力な競争相手として台頭し、オーディエンス数で従来型TVを上回っていることでしょう。eMarketerの予測によると、米国の成人は2025年までに、従来型TVを視聴する時間よりもデジタル動画コンテンツを消費する時間の方が1時間以上長くなる見込みです。

こうした視聴行動の変化は、広告エコシステムのサプライサイドとデマンドサイドに多くの課題をもたらしました。サプライサイドでは、多くのCTVパブリッシャーが、メディアコングロマリットとストリーミング大手が支配する飽和市場で存在感を示すという困難な課題に直面しています。潤沢な資金とOEM統合を備えた業界大手と競合する場合、発見可能性(見つけやすさ)は大きなハードルとなります。

特に小規模のパブリッシャーは、広告予算を獲得し、成長するCTV広告費のパイを確保するのに苦労しています。専門の営業チームを持たない小規模パブリッシャーは、複雑なCTV広告環境に適応して前進するためのリソースが限られているからです。

一方で、放送局と大手パブリッシャーも消費者行動の変化に適応することを余儀なくされています。両者はプログラマティック広告がこの変革に不可欠な要素だと理解しているものの、従来のTV業界の進化やさまざまな収益化ソリューションに対処することが試練となる可能性もあります。

広告主は、消費者に効率的かつ効果的にリーチしエンゲージするため、変化するTV環境からの悪影響を回避する際に、同様の課題に直面しています。複雑なデジタル広告サプライチェーンが消費者のプライバシーへの配慮を進化させるなか、多くの広告主はメディア購入戦略の透明性とコントロールの向上を求めています。

これらの課題に対処するPubMaticの役割

こうした広告の新たな時代において、とりわけ差し迫った課題が断片化です。広告主とパブリッシャーが多種多様なプラットフォームでオーディエンスにリーチしようとするなか、断片化は消費者にシームレスな視聴体験を提供する上で大きな摩擦を生み出します。PubMaticは、こうした摩擦点を取り除き、デジタル広告のサプライチェーンを合理化して、プログラマティックメディアバイヤーを含むすべてのステークホルダーにとって、ストリーミングメディアがよりアクセスしやすく効率的になるよう尽力しています。

これらの課題を解決するため、PubMaticはCTV広告エコシステムのサプライサイドとデマンドサイドの両方に対応する包括的なアプローチを開発しました。

  • 代替IDとアドレサビリティ機能:Connectなどの当社製品は複数の代替IDをサポートし、パブリッシャーはこれらの識別子によって強化されたインベントリを簡単に表示できます。PubMaticは、Cookieレスの未来を見据え、将来も有効なオーディエンスターゲティング戦略の策定を支援しています。
  • クリエイティブ承認ツール:パブリッシャーが政治広告などの分野における大きな機会からマネタイズするのを支援するため、PubMaticは先進的な「クリエイティブ承認ツール」をローンチしました。これはワークフローを合理化し、パブリッシャーがクリエイティブを選択的に承認しながら収益機会を増やせるようにするものです。このツールにより、バイヤーはCTVのような主要チャネルを含め、政治広告予算に向けたインベントリの規模を最大化できるようになります。
  • OpenRTB 2.6のサポート:当社はIABのOpenRTB 2.6をいち早く採用し、特にCTVトランザクションにおいて、プログラマティックエコシステムにさらなる効率性をもたらしています。PubMaticがOpenRTB 2.6をサポートしたことで、バイヤーとセラーは競合の除外や広告の繰り返しといった問題に対処できるようになりました。
  • ブランド保護:CTVにおける高いCPMを狙って増加する可能性がある不正行為や詐欺に対抗するため、当社はサードパーティとのパートナーシップと内部テクノロジーを連携させ、ブランドにとって安全かつ適切な広告環境を確保します。
  • 啓発と専門知識:PubMaticはプログラマティックエコシステムにおける啓発の必要性を認識しています。クライアントがCTVおよびプログラマティック広告の価値と、これらの戦略を効果的に実装する方法を理解するのに、当社のインサイトと専門知識が役立っています。
  • 運用サポート:PubMaticは広告代理店と大手ブランドがプログラマティック広告の運用面で直面する課題を認識しています。アカウントリソースの提供だけでなく、ソリューションを運用して効率性を最大化するためのガイダンスも行っています。
  • インサイトとレポーティング:広告キャンペーンを最適化するために実用的なインサイトとレポーティングソリューションを提供することにPubMaticがコミットするのは、クライアントに結果をもたらすべく献身的に取り組んでいることの表れです。当社は、ジャンル、チャネル、ネットワークなど、入札ストリームで渡されるコンテンツレベルのシグナルに関する詳細なレポートを提供しています。これにより、広告主は広告配信先についてより透明性を高め、従来型TVとデジタルTVのギャップをさらに縮めることができます。

従来型TVからストリーミングへの視聴行動の変化は、広告業界に課題と機会の両方をもたらします。当社はCTV環境において放送レベルの高品質の視聴体験を提供すると同時に、パブリッシャーの収益拡大を促進するため、テクノロジーとリソースに多額の投資を行ってきました。

このダイナミックなプログラマティック環境で、PubMaticを導入したCTVパブリッシャーと広告主がどのような能力を実現しているかについてご興味のある方は、ぜひご連絡ください