2012年以降、広告業界では毎年のように「今年は、モバイルの年だ」「モバイルが来る!」と言われ続けてきました。しかし残念ながら、今のところ、その予想が的中した試しはありません。いったい、いつになったら私たちは「モバイルの年」を体験できるのでしょう?
もう何年もこんな状況が続いているので、今になって「2019年はモバイルの年になる」と宣言するのは、少々気がひけてしまいます。でも、ここ数ヶ月の間に広告業界で起きている飛躍的な進歩と驚くべきイノベーションを目の当たりにすると、私は今年こそ「モバイルの年になる!」と言わずにはいられません。何年も前から期待されていたモバイル広告の可能性が、ついに現実のものとなろうとしているのです。
アプリ広告の最新事情
最も注目すべきは、アプリ内広告は今まさに、全く新しい市場ダイナミクスを備えた新たな領域への転換期を迎えているということです。例えば、アプリ内ヘッダー入札は急速に普及しており、プログラマティック広告の需要はWebからアプリへと移行しつつあります。また、Tech Labはアプリ環境での「なりすまし」を根絶するために、新たなapp-ads.txt仕様を導入しました。こういったアプリ内エコシステムの進化を受け、多くのマーケターが、アプリ広告がキャンペーンの成功の鍵を握っていることに気づき始めています。
メディアバイヤーから見たアプリ内広告
このほどPubMaticでは、Forrester Consultingに依頼して、「世界のメディアバイヤーはアプリ内広告をどうみているのか」「この先数ヶ月間、メディアバイヤーの投資計画はどうなっているのか」についての調査を行いました。その結果、メディアバイヤーの多くが「アプリ内広告によってターゲティングが強化され、カスタマーエンゲージメントが向上した」と回答、広告主からのアプリ内広告への需要が拡大していることが明らかになりました。実際、調査対象となったメディアバイヤーの56%が運用型アプリ内広告(ディスプレイと動画含む)のメリットとして、「オーディエンスターゲティングが向上したこと」を、54%が「より効果的な消費者エンゲージメントが可能になったこと」を上げています。
こうしてアプリ内広告への投資が増え続けているにもかかわらず、依然としてアドフラウド(広告費詐欺)問題は解決されていません。もちろんデジタル広告業界では、何年にもわたってアドフラウド問題解決に取り組み、大きな成果を上げてはいますが、まだ課題は残っています。昨年10月、Buzz Feedが報じた数百万ドル規模のアドフラウドは、その驚くべき巧妙な手口で業界に衝撃を与えました。監視されていない無防備なアプリ内環境において、アドフラウドは非常に深刻な問題です。実際、Forrester Consultingの調査では、広告主にとってアドフラウドはアプリ広告参入にあたっての最大の懸念事項であり、アプリ内動画広告参入にあたっては全体の57%が、一般的なアプリ内広告参入にあたっては52%が、アドフラウドを障壁の1つとみなしていることが明らかになりました。
2019年にすべきことは?
しかし、失望する必要はありません。パブリッシャーがマーケターにアプリ内広告の可能性を認識させるのに成功すれば、2019年は「モバイルの年」になるはずです。バイヤーはアプリ内インベントリの品質についての不安を解消するために、パブリッシャーやアドテク・プロバイダーのサポートを求めています。マーケターに対しては、アプリ内広告におけるアドフラウドと可視性について検証し、その安全性を提示する必要があります。
さらに、パブリッシャーは以下に挙げる内容を実行してみてください。広告主の目標達成をサポートするのに、きっと役立つはずです。
- 顧客データを収集して、もっとも大切な広告主と共有しよう
- 完全に表示可能なコンテンツと広告体験を配信しよう
- 最も透明性があり、道徳的な顧客開拓手法にのみ取り組む
- IABのOpen Measurement SDKを実装してサポートする
- 広告主にとって最適なKPIを理解する
- 広告主が好む戦略を実行する
詳細については、PubMaticがForrester Consultingに依頼して行った調査、”The Move Toward In-App Advertising: Forrester Thought Leadership Paper Commissioned by PubMatic”(英語)をダウンロードしてご覧ください。