ChinaJoy 2025:

Lashanne Phang's Headshot
By Lashanne Phang, VP, Mobile
August 27, 2025

ChinaJoyほどモバイルエコシステムの動向が反映されるイベントはそう多くありません。今年で22年目を迎えたChinaJoyは、ゲーム業界、アプリ開発者、そして広告テクノロジーのイノベーターにとって、世界的な集いの場としての役割を担い続けています。さらに、2025年の今年は規模だけでなく、内容においてもこれまでとは一線を画していました。

活気に満ちた展示ホールから、満員のプライベートミーティング、ネットワーキングラウンジまで、各所でとりわけ議論が白熱したのは、次の大作ゲームタイトルについてだけではなく、収益化、効率性、成長についてでした。

最も顕著な変化の一つは、国際的な参加者の増加です。これまで以上に多くのグローバル企業、プラットフォーム、モバイル業界のリーダーたちが会場に集まり、モバイルゲームとアプリのマネタイズの未来を形作る上で中華圏市場の戦略的重要性がさらに高まったことをうかがわせました。

ChinaJoyで私が交わした会話は表面的なものではなく、収益化責任者、DSPパートナー、ビジネスリーダーたちとの戦略的な議論でした。活気に満ちた1週間を経て、浮かび上がった重要なポイントは以下の3つです。

  • 次の成長の波は、特にeコマースにおけるブランド需要と、それを獲得する準備ができている企業によって牽引される。
  • SDKダイレクトはもはやオプションではなく、収益化の標準となり、コントロール、品質、購入者の信頼を支えている。
  • キュレーションは単なる業界の流行語ではなく、モバイル収益化戦略の次なる進化。

中国がこれらの開発をリードしていますが、変化は世界中ですでに始まっています。上海で開催されたChinaJoyで見聞きしたことは、単なる地域的な話ではなく、あらゆる場所でモバイルのマネタイズが今後向かう先を予見させるものでした。

パフォーマンスへのプレッシャーとeコマースブランド予算の増加

モバイルアプリのエコシステムでは、商業的なプレッシャーと競争のプレッシャーが高まっています。ユーザー獲得コストは上昇し続け、オーディエンスのリテンション(維持)はより困難になり、パフォーマンスインストール数のみに基づくマネタイズはもはや全体像を示すことができません。こうした状況を受けて、多くのパブリッシャーとアプリ開発者は、特にブランドやeコマースの広告主からの新たな収益源を模索しています。パブリッシャーがブランドに適した広告体験に注力しているのは、単に収益を増加させるためだけではなく、これらのキャンペーンがより豊かなクリエイティブと広告疲れの軽減を通じてユーザー体験を豊かなものにするからです。

TemuやSheinといったeコマース大手の広告主は、会話の多くで話題の中心になりました。中国発のサービスとして、世界規模で急速に事業を拡大している彼らの動きは、APACから南北アメリカにいたるまで、地域やフォーマットを問わずサプライパートナーを活気づけています。これは単なる地域的な拡大ではありません。グローバルな兆候として、ブランドの予算とパフォーマンス目標が急速にモバイル分野で一体化しつつあるのです。

PubMaticは、トップクラスのグローバルブランドやeコマースの広告主からのプレミアムなデマンドへの大規模なアクセスを可能にする、業界をリードするプログラマティックプラットフォームを提供することで、モバイルパブリッシャーを強力に支援しています。当社のオムニチャネルへのリーチは、パブリッシャーが収益の多様化を図りながら、インパクトが高くユーザーフレンドリーな広告体験を提供するのに役立ちます。

透明性とコントロールを重視して構築されたサプライチェーン

会合の多くで共通認識となった別の重要なテーマは効率性です。具体的には、プログラマティックサプライチェーンを通じて、どのように広告が配信されるのが効率的か、またどのように価値が流れるのが効率的か、その両方が重要です。

かつてマネタイズは、量を増やすことに重点を置いていました。しかし現在のプラットフォームとDSPは、透明性、シグナルの品質、直接的なサプライパスをはるかに重視しています。SDKダイレクトとは、パブリッシャーのSDKをデマンドパートナーのプラットフォームに直接統合し、仲介業者を排除する仕組みです。このアプローチにより、パブリッシャーは広告体験とオークションロジックをより強力にコントロールでき、バイヤーは掲載場所の品質、価格の透明性、パフォーマンスへの信頼を高めることができます。

DSPと代理店のバイヤーからは、クリーンで効率的なパスが成功するという声が繰り返し聞かれました。冗長でマルチホップのサプライチェーンは、進化するパフォーマンス目標や入札者の効率基準に追いついていません。あらゆる手段で規模を追求する姿勢から大きく転換したことで、業界はよりシンプルで説明責任のあるインフラへと移行しつつあり、中国に限らず主要なモバイルファースト市場の全体でこの流れが加速していくと予想されます。

PubMaticが献身的に構築してきたエンドツーエンドのプラットフォームは、広告主、代理店、パブリッシャー、データパートナーのすべてを1カ所に結びつけ、効率性、使いやすさ、パフォーマンス成果を向上させることで、プログラマティック広告のサプライチェーン全体の合理化を実現しています。

キュレーションはモバイルにおける新たな通貨

ブースのフロア、講演やセッションの会場など、ほぼすべての議論で繰り返し登場した言葉が「キュレーション」です。

広告費用対効果(ROAS)へのプレッシャーが高まり、プライバシー環境が複雑化するなかで、バイヤーとプラットフォームの双方が、きめ細やかにカスタマイズされ効果の高い購入環境が必要との認識で一致しつつあります。キュレーションは、ファーストパーティの行動データからコンテキストシグナル、ID照合まであらゆる手段を駆使し、かつてウォールドガーデンでしか実現できなかったターゲティング精度と、プログラマティック広告のスケールを同時に実現します。

キュレーションは一時的な流行と誤解されがちですが、ChinaJoyでの会話から、キュレーションが基盤となりつつあることは明らかです。広告主はコンテクスチュアルな関連性を求め、パブリッシャーはより高い収益性を望んでいます。そして、適切に実行されるキュレーションは、両者の目標をかなえることができるのです。

PubMaticもキュレーションの最前線で取り組みを続けています。2022年には、キュレーションキャンペーンの作成と管理を簡素化する完全統合型オーディエンスプラットフォームのConnectをリリースしました。Connect経由でデータを利用する広告主は、確かな成果を実感しています。一方で、PubMaticのキュレーションツールを導入した多くのパブリッシャーは、1日あたりの取引収益を最大5%伸ばし、中には10%以上も増やしたパブリッシャーもいます。

リアルな対話とビジョンの共有が生まれた1週間

PubMaticは、今年のChinaJoyに深く関わることができたことを誇りに思います。当社はVIPディナーと専用ミーティングラウンジを主催し、この1週間でとりわけ話題になったアフターパーティーを共同開催しました。また、中国ゲームパブリッシャーのグローバル戦略に関する注目のフォーラムで講演し、ブース出展でも存在感を示しました。

私にとってとりわけ貴重だったのは、長年のPubMaticパートナーたちとの出会い、セッションの合間の有意義な対話、パーティーでの新たなアイデアの発表です。これらの接点を通じて、私たちが長年信じてきたことを改めて確認できました。それは、強固なテクノロジー、力を得たパブリッシャー、共有された大志を結集することで、真のイノベーションが生まれるという信念です。

未来の可能性に鼓舞され、私たちの進む方向に一層明るい希望を感じつつ、私はChinaJoyの会場を後にしました。